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海外でも注目の玄米食 種ヶ島永宝・一瀬速 共著 文庫サイズ・48頁 まえがき ?? 玄米菜食による「食養」の実践で心身浄化 「世界のコメの生産量は年間6億トンを超え、小麦、トウモロコシと並ぶ三大穀物として、世界中の人の食事を支えています。 近年では食糧面だけでなく、コメ食の健康に対する効果が注目されています。 現在、コメ食はおいしさの観点から主に「白米食」となっていますが、コメの有効成分の大部分は、精米過程で除去される米糠に含有されています。 米ぬかに含まれる有効成分にはコメ油、イノシトール、フェルラ酸、オリザノールなどがあり、各方面で利用されています。 近年ではメタボリック・シンドローム、糖尿病、認知症、がんの予防や治療など、保健や医学的有効性の観点からも注目が集まっています」 これは、2008年10月、和歌山市で開催された第2回国際シンポジウム『コメと疾病予防』の冒頭で、シンポジウム組織委員長の南條輝志男先生(和歌山県立医科大学学長)が述べられた言葉です。 白米よりも、白米に精製する過程で削り取られる糠(玄米)のほうに健康的価値があることを強調されています。 同シンポジウムには世界14カ国から500人の関係者が集まりましたが、南條先生の言葉を裏づけるように、35講演のうち半数以上が糠と糠中の生理活性成分についての講演でした。 日本人は、今から数千年前の縄文時代に、焼畑的農法によって稲(コメ)を食べはじめたと考えられています。 弥生時代に水田による集約的農法が伝来すると、稲はまたたくまに日本中に広まり、日本人の主食に定着したとされています。 以来、私たちの先祖が食べ続けてきたおコメのごはんは、もちろん玄米でした。 ではなぜ現在、圧倒的多数の日本人が玄米より白米を食べているのでしょうか。 その理由を煎じ詰めると次の3点にいきつきます。 1.玄米は炊くのに手間がかかる 2.玄米ごはんは硬くて食べづらい 3.百年余の白米食習慣により、白米の食味が日本人に定着した つまり、栄養(健康)より、食べやすさ、おいしさが優先された結果、日本の食卓の主役が白米に取って代わったと考えられます。 しかし、前記の1?3の玄米の欠点は、調理器具や炊飯方法の改善でほとんど解消しています。 現在市販の炊飯器には玄米のための目盛りがあり、玄米をおいしく炊くことができます。 そもそも、おいしさだけを尺度に食べ物を選び、飽食を続けるのは、どこかまちがっているような気がします。 私たちが生きるために天から与えられた食物(他の動植物のいのちです)をいただくとき、栄養の多い部分を捨てて、おいしいところだけを食べるのはもったいない、申し訳ないことではないでしょうか。 ごはんを主食とした日本型の食生活は、国内より、むしろ海外で「理想的な健康食」として高く評価されています。 ただし、白米が主役の日本食では、本来の日本食の効用が万全とはいえません。 日本型食生活の利点を最大限生かすには、主食を玄米とするのが必須です。 食物はなるべく全体を感謝していただく、これが私ども日本綜合医学会の考え方です。 ●悪玉コレステロールを排除 玄米食は、メタボリック・シンドロームの要素の1つである「高コレステロール血症」の予防と改善にも役立ちます。 玄米の外皮には、粘りのある水溶性の食物繊維が多く含まれていて、これが悪玉(LDL)のコレステロールをどんどん除去してくれるのです。 そのメカニズムは、主に次の3つの働きによると考えられています。 (1)コレステロールやその材料となる胆汁酸を包み込んで排泄する (2)コレステロールの異化促進 (3)肝臓でのコレステロール合成阻害 ●活性酸素の消去にも有効 玄米食によって、コレステロールを正常化できれば、心筋梗塞の引き金となる動脈硬化の進行を抑えるうえでも有効です。 動脈硬化の進行には、コレステロールのほかに、活性酸素による「酸化ストレス」も深く関わっていますが、玄米には活性酸素を消去する抗酸化成分も豊富に含まれています(10ページ参照)。 目 次 ?? 第1章 玄米と白米の違い ・玄米は「生命ある食物」 ・これほど違う玄米と白米の栄養 ・玄米中の有用成分の特徴と働き ・アメリカは全粒穀物を高評価 第2章 メタボ対策に最適 ・日本人は糖尿病になりやすい ・日本人、日系人の糖尿病比較 ・砂糖のとりすぎと繊維不足の弊害 ・玄米は血糖をゆるやかに上げる ・動脈硬化、心臓病の予防効果も ・玄米食は「便秘」の解消に最適 第3章 玄米食で心身を浄化 ・栄養素だけではない玄米の価値 ・玄米は「味覚」を正常にする ・「噛む」ことは健康の基本 ・玄米は「穀菜食」の主役 ・玄米菜食による食養のすすめ ・玄米ごはんのおいしい炊き方 〈コラム〉日本綜合医学会 【ハート出版ふるさと文庫】メタボ・糖尿病対策に理想の主食「玄米」
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